災害に対する避難は最終的には「自分の命は自分で守る」しかありません。災害時の避難は様々な情報を瞬時に判断できるかどうかが生死の境目ともなります。そのため、ふだんからリスクの情報を読み、いざという時にどう避難するか、そんなリスク情報リテラシーの向上に「逃げ地図」づくりはたいへん有効な道具です。
まず地震による津波災害を想定します。やりかたは簡単。1/2500ぐらいの縮尺の地域の地図を用意します。津波浸水域や安全な高台の避難到達点に○をつけ(またはシール)、そこから地図の縮尺にあわせたお年寄りが10度の坂道を3分で登る平均距離の129mの紐をあてて、順に区間ごとに緑、黄緑、黄色、橙色、赤色、紫、青、黒と道路に色を塗っていきます。赤色は12分から15分の間を意味します。
時間距離で色分けしていく作業は子どもからお年寄りまで誰もができて、色塗りをしながら気がつく点も少なくありません。ハザードマップ等も初めて見る人も、この逃げ地図づくりから防災に意識を持つようになる。またこのワークショップによって地域住民の自主的主体的な相互扶助・防災活動が活性化する期待もされます。
津波のみならず土砂災害等多様な災害も想定し、また小学生も含めて世代間をつなぐリスクコミュニケーションツールとしてさらに改善、開発していくことに取り組みます。